『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』レビュー。開発者には人の心がないのかと疑いつつ、最後まで遊んで本当によかった。展開を知っているのに、なぜまた泣けるのだろう

レビュー記事を書くために、筆者は開発段階のものを発売直前のタイミングでプレイさせていただいた。まずは恐れ多くも、プレイ前にはこう思っていたことを素直に伝えたい。

「いわゆる“キャラゲー”とか“原作を忠実に再現”的なゲームだろうなぁ」

本作はアニメ『鬼滅の刃』をモチーフにしたアクションアドベンチャー&対戦アクションゲームだ。

筆者は『鬼滅の刃』の物語の流れを完結まで把握しており、アニメは映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』も含めて何度も鑑賞済み。つまり、ストーリーは完全に頭の中に入っている。

“原作(IP)もの”と呼ばれるゲームにとって、「劇中のシーンを再現!」といったノリは非常に大切だ。一方で、話の展開を知っている以上、感動の余地がないことも珍しくない。そう高を括り、どちらかというとアクションゲームとしてのおもしろさに期待していた。

テストプレイを進めていく筆者の心境を、主人公・竈門炭治郎の作中での表情をお借りして表現すると、このようになる。

そして、最終的にはこうなった。

ゲームプレイ終了後、涙があふれた。腰の力が抜けて椅子からうまく立ち上がれない。心が平衡感覚を失っている。横で見ていた担当編集者は「おれも鬼殺隊に入ります」と言い出した。気をたしかに持て。